

科学技術が進歩し、経済発展が進む中で、自然破壊、気候危機、貧富の格差の拡大、長引く紛争など、人類社会が直面する地球規模の課題が噴出しています。「デザイン」とは、こうした課題に立ち向かい、地球と人類社会の未来を構想する際に不可欠な変革の概念であり、実践です。 それは協働と集団的な探求を通じて問題を解決し、様々な機会を生み出す創造性を尊ぶ理念でもあります。
いま、大学をはじめとする教育・研究学術機関には、民間企業や政府等の力を集める求心力となり、課題や変革に率先して取り組む卓越したチェンジメーカーを共に育てることが期待されています。チェンジメーカーたちには、異なる位相の事象をつなぎ、統合して、現状の変革を推進していく、まさに「デザイン」の発想が重要です。チェンジメーカーは、多様な分野でイノベーションを起こし、未来社会をデザインする、次世代のクリエーターであり、リーダーです。
今回の東京フォーラムでは、世界各地から研究者、アーティスト、公共セクターのスペシャリスト、経営者、起業家など、異なる背景を持った多様な人々が一堂に会し、私たちの明日を変革する力を持つ「デザイン」を共に考え、未来について対話していきます。
SCHEDULE
13:00
13:30 - 14:30
14:30 - 15:30
プレナリートークには、基調講演者の松尾 豊教授とアリス・ローソーン氏のほか、延世大学情報大学院・学部長のチェ・ ジュンホ教授が加わり、分野を超えた未来社会創造に向けたトークを行います。
モデレーターは東京大学公共政策大学院・准教授の青木 尚美が務めます。
15:50 - 16:50
ジェンダード・イノベーションの描く未来:科学の評価、ファンディング、教育における変化
このセッションでは、ジェンダード・イノベーション(GI)の重要性とその科学技術への影響を議論します。GIの提唱者ロンダ・シービンガー博士をはじめ、韓国と日本の識者や国際ジャーナル編集者とともに、GIがもたらす未来の科学のあり方、研究評価やジェンダー教育の必要性について探求します。
17:10 - 18:10
新たにデザインする社会・環境課題への解決策
このセッションでは、ビジネスリーダーが社会的および環境的課題に対して取ることができる具体的な行動を探ります。また、日韓両国で導入されているアウトカムベースファンディングについて議論し、日本と韓国のビジネスリーダーがこれらの新しいソリューションを実施するためにどのように協力できるかを模索します。
13:00 - 14:00
インクルーシブなまちづくり:社会的共通資本を巡る都市計画学と経済学との対話
このセッションでは、インクルーシブなまちづくりをどのように実現するかについて議論します。社会的共通資本の観点から、アクセシブル・アフォーダブルで多様な生活者が住み続けられる都市を構築するための制度やインフラの在り方を見直し、都市計画や経済学が協働して持続可能な住環境を支える仕組みを探ります。
14:20 - 15:20
東京大学と韓国の大学に通う現役学生20名が5つのグループをつくり、両国の共通課題である少子化についてそれぞれの視点で数ヶ月に渡る研究を行いました。このセッションでは、各グループの調査結果と国際共同プロジェクトを通じて得た学びや気づきを発表します。
15:40 - 16:40
境界を越えるデザイン:融合、革新、そして未来への挑戦
このセッションでは、デザインが美的活動にとどまらず、さまざまな分野と協働し、イノベーションを起こすダイナミックな触媒としての役割を果たしていることについて掘り下げます。デザインが他分野と交わることで生まれる新しい可能性を探りながら、東京大学が行う先駆的な取り組みや新たなデザイン教育への試みについても取り上げていきます。
17:00 - 18:00
2日間に渡る今年のフォーラムを未来を担う若い世代とともに振り返ります。
登壇はユースセッションの代表学生4名と東京大学 藤井総長。モデレーターは東京大学公共政策大学院・准教授の青木 尚美が務めます。